分析手法について

キフウ診断がどのように棋譜を分析し、棋風を16タイプに分類しているかを解説します。

棋譜ファイルの解析

キフウ診断は、KIF形式の棋譜ファイルを解析して棋風を診断します。KIFファイルはShift_JIS(CP932)エンコーディングで記述された将棋の棋譜記録形式で、将棋ウォーズ、将棋倶楽部24、ShogiGUIなど多くの将棋ソフトで出力されます。

解析の流れ

  1. ファイル読み込み: Shift_JISエンコーディングのKIFファイルをデコードし、テキストデータとして取得します。
  2. ヘッダー情報の抽出: 対局者名、日付、戦型などのメタ情報を解析します。
  3. 指し手の解析: 「7六歩」「3四歩」といった指し手を1手ずつパースし、駒の種類、移動元、移動先、成り・打ちの区別を判定します。
  4. 盤面の再現: 初期配置から1手ずつ盤面を再現し、各手番での駒の配置を追跡します。
  5. 特徴量の抽出: 再現された盤面情報をもとに、各軸のスコアリングに必要な特徴量を計算します。

4軸スコアリングシステム

キフウ診断では、棋風を4つの軸で数値化します。各軸は0から100のスコアで表され、50を基準に特徴が分かれます。

第1軸: 攻守(攻撃型 vs 守備型)

攻撃ゾーン(相手陣の3段)への駒の進出頻度と、守備ゾーン(自陣の3段)での駒の活動頻度を比較してスコアを算出します。

  • 攻め駒(飛車・角・銀)が相手陣に侵入するタイミングと頻度
  • 自陣での金銀の移動回数(囲い構築の度合い)
  • 中盤以降の攻撃的な手(取る手、成る手)の割合

スコア50以上が攻撃型、50未満が守備型と判定されます。

第2軸: 緩急(急戦型 vs 持久型)

序盤の仕掛けのタイミングを数値化します。

  • 最初の駒交換が発生する手数
  • 序盤20手以内での攻撃的な手(駒をぶつける手)の回数
  • 囲いの完成度と仕掛けのタイミングの関係

スコア50以上が急戦型(早い仕掛け)、50未満が持久型(じっくり駒組み)と判定されます。

第3軸: 型(型破り vs 定跡型)

定跡からの逸脱度を測定します。

  • 成り駒・打ち駒の全体に占める割合(高いほど型破り)
  • 手の多様性(同じパターンの繰り返しが少ないほど型破り)
  • 一般的な駒組み手順からの乖離度

スコア50以上が型破り、50未満が定跡型と判定されます。

第4軸: 剛柔(剛 vs 柔)

指し手の力強さを数値化します。

  • 大駒(飛車・角)の活用頻度と移動距離
  • 駒取りの攻撃的な手の比率
  • 金銀の連携による繊細な手筋の頻度

スコア50以上が剛(力強い指し回し)、50未満が柔(繊細な指し回し)と判定されます。

16タイプの判定方法

4軸のスコアを組み合わせて、16タイプのいずれかに分類します。まず4つのグループに分類し、その中で細分化します。

4つのグループ

グループ攻守緩急
突撃型攻撃型(50以上)急戦型(50以上)
支配型攻撃型(50以上)持久型(50未満)
反撃型守備型(50未満)急戦型(50以上)
堅守型守備型(50未満)持久型(50未満)

グループ内の細分化

各グループ内で、第3軸(型)と第4軸(剛柔)の組み合わせにより4タイプに細分化されます。合計で4グループ x 4タイプ = 16タイプとなります。

例えば「突撃型」グループの場合:

  • 飛車(型破り + 剛): 力強い攻めで定跡を超える猛攻の切り込み隊長
  • 角行(型破り + 柔): 柔軟な発想で予想外の角度から攻撃する変幻自在の狙撃手
  • 香車(定跡型 + 剛): 定跡に基づく力強い一直線の突撃者
  • 桂馬(定跡型 + 柔): 定跡を活かした華麗な跳躍者

分析データについて

キフウ診断のスコアリング基準は、プロ棋士の棋譜データを基に構築されています。

分析対象

項目内容
分析棋士数8名
総分析局数116局
対象棋士藤井聡太、羽生善治、大山康晴、渡辺明、豊島将之、谷川浩司、中原誠、永瀬拓矢

各棋士12〜16局の公式戦棋譜を分析し、スコアの分布や傾向を把握したうえで、一般ユーザーの棋譜にも同じ基準を適用しています。

スコアの見方

スコアはプロ棋士の分析結果を基準として設計されています。プロ棋士でも各軸のスコアは40〜90程度の範囲に収まるため、極端な値(0付近や100付近)は非常に特徴的な棋風であることを意味します。

ご利用にあたって

キフウ診断は将棋の棋風を楽しく分析するためのエンターテインメントサービスです。以下の点にご留意ください。

  • 分析結果はあくまでKIFファイルに記録された指し手のパターンに基づくもので、棋力の評価や実力の判定を目的としたものではありません。
  • 同じ棋士でも対局相手や戦型によってタイプが変わることがあります。複数局の分析で総合的に棋風を把握することを推奨します。
  • 分析アルゴリズムは継続的に改善を行っています。同じ棋譜でもアップデートにより結果が変わる場合があります。
  • 本サービスはプロの棋譜解説や棋力判定を代替するものではありません。将棋を楽しむためのツールとしてご活用ください。

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